社内問い合わせの対応漏れを防ぐには、問い合わせを一覧にまとめるだけでなく、次の3つを決めることが大切です。

  1. 誰が対応するか
  2. どの問い合わせを先に対応するか
  3. 次にいつ確認するか

たとえば「返事待ち」と書かれていても、誰がいつ確認するのか決まっていなければ、そのまま残ってしまいます。また、受付が新しくても、業務が止まっている相談には早い対応が必要です。

この記事では、ある営業日の9時15分に未完了の問い合わせを5件確認したと仮定し、管理者が何を判断すればよいかを考えます。5件の内容や判断は説明用の架空例で、実際の検証結果ではありません。

未完了の5件を同じ時点で見る

まず、9時15分時点の一覧を見てみましょう。「未完了」には、まだ担当者がいない案件だけでなく、返事待ちや解決確認待ちも含めています。

番号 問い合わせの内容 現在の状況 次の確認予定
1 10分前に受付。共有フォルダーを12人が開けず、作業が停止。代替手段は未確認 未担当 未設定
2 4営業日前に受付。備品の保管場所についての質問。今日の業務への影響はない 未担当 未設定
3 昨日受付。明後日の研修で使う機器の確認。代替機はある 総務担当が施設担当の返事待ち 昨日15時(確認記録なし)
4 2営業日前に受付。来週水曜に使う端末の準備相談。機種の情報が不足 情シス担当が問い合わせた人の返事待ち 明日12時
5 昨日受付。印刷できない相談に手順を案内済み。今日13時に印刷物が必要 情シス担当の回答後、解決確認待ち 今日11時

この一覧から、今すぐ対応すべき案件と、予定どおり確認すればよい案件を分けます。

受付順ではなく、業務への影響と確認予定で判断する

未担当、返事待ち、解決確認待ちを分けて確認するイメージ

優先順位を考えるときは、次の2つを確認します。

  • 業務への影響: 今困っている人はいるか。仕事が止まっているか。利用する期限が迫っているか。
  • 対応の遅れ: 担当者や次の確認予定が決まっているか。確認予定を過ぎていないか。

たとえば1は受付から10分でも、12人の作業が止まっているため、すぐに担当を決める必要があります。一方、2は緊急ではありませんが、4営業日も担当が決まっていません。

3と4はどちらも返事待ちです。しかし、3は確認予定を過ぎ、4はまだ予定日前です。「返事待ち」という表示だけで、同じように催促する必要はありません。

5件の次の行動を決める

管理者は優先順位を付けるだけでなく、誰が、何を、いつまでに行うかを決めます。この例なら、次のように整理できます。

番号 次に行うこと 担当・確認予定
1 影響範囲と代替手段を調査し、途中経過を伝える 情シスが調査。受付担当が10時30分に経過を連絡
2 備品の保管場所を調べて返信する 総務の受付担当が今日中に対応
3 施設担当へ再確認し、返答の見通しと代替機の利用条件を確かめる 総務担当が今日14時までに確認
4 返答を待ち、準備に必要な日数が変われば予定を見直す 情シス担当が明日12時に確認
5 案内した手順で印刷できたか確認する。未解決なら代替手段を考える 別の情シス担当が今日11時に確認

1の「10時30分」は復旧時刻ではなく、途中経過を知らせる時刻です。復旧の見通しが立っていなくても、分かったことを伝えます。

また、5は手順を案内しただけでは完了にしません。13時までに印刷が必要なので、11時の確認で解決していなければ、ほかの方法を検討します。

担当者が足りないときは分担を見直す

では、情シス担当が1人しかいない場合はどうでしょうか。

1の調査に時間がかかると、5の解決確認まで手が回らないかもしれません。この場合は、受付担当に「印刷できたかどうかを利用者へ聞く」という連絡だけを任せる方法があります。設定変更などの技術的な対応は情シス担当が行います。

分担できる人がいなければ、管理者が確認予定を調整し、利用者にも連絡します。13時の利用に間に合わない可能性があるなら、代替手段も早めに検討します。

大切なのは、優先順位を決めるだけでなく、実行できる担当と予定にすることです。

担当が替わっても対応が途切れない記録を残す

問い合わせの確認結果と次の行動を記録して引き継ぐイメージ

担当者が休んだり交代したりしても、次の人が対応を続けられるよう、少なくとも次の情報を残します。

  • 現在の状況と、これまでに確認したこと
  • 担当者と、次に行うこと
  • 次の確認日時
  • その対応を優先した理由

たとえば1なら、「12人が共有フォルダーを開けない」「代替手段は調査中」「情シスが調査し、受付担当が10時30分に連絡する」と記録します。担当を変更したときは、引き継いだ人が内容を確認したことも確かめます。

なお、人事相談や個人の事情など、限られた人だけが扱うべき内容を共通一覧に詳しく書くのは避けましょう。必要に応じて閲覧できる人を分けます。

まずは今ある一覧で対応漏れを確認する

新しい管理ツールを入れる前に、今使っている表で次の項目を確認してみましょう。

記録する項目 確認したいこと
受付日時 いつから残っている問い合わせか
問い合わせ内容と業務への影響 何に困っているか、いつ影響するか
担当者 誰が引き受けているか
状態 未担当・対応中・返事待ち・解決確認待ちなどを区別できるか
次の確認日時 確認予定を過ぎていないか
次に行うこと 担当者が次の一歩を判断できるか

この項目があれば、担当が決まっていない案件や、確認予定を過ぎた案件を見つけやすくなります。回答した後の解決確認も、忘れずに管理できます。

今の表では見落としが続く場合は、通知や担当変更の履歴など、何の機能が必要かを整理してから仕組みを検討するとよいでしょう。

システム開発について相談した後、何から進めるかを考える際は、次の記事も参考になります。

システム開発を相談した後、すぐ発注できないときは何をする?現行調査・要件整理・試作の3つの進め方

外部参考URL

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