その答えを、正直に数えたことがある会社はほとんどない。

「毎月払っているから、きっと使っている」。そう思い込んだまま、契約更新のたびに判子を押す。気づいたら3年が経っていた、というのはよくある話だ。

この記事では、社内システムが「使われなくなる本当の理由」と、その責任がどこにあるのかを正直に書く。


システムは、静かに死んでいく

誰も使わなくなるのは、一夜にして起こらない。

リリース直後は使われる。担当者が丁寧に説明して回り、現場も新しいツールに期待している。ログイン数は順調だ。

3ヶ月後、変化が始まる。操作が「なんとなく分かる人」と「よく分からない人」に分かれてくる。分からない人は、前のやり方に戻る。Excelが復活する。

6ヶ月後、こんな会話が起きる。

「あのシステム、どこからログインするんだっけ」
「あー、URLどこかに送ったと思うんですけど」

1年後、誰も覚えていない。でも契約は続いている。月20万円、粛々と引き落とされている。


図解

本当のコストを計算したことがあるか

月20万円のシステムを1年放置すると、直接費用だけで240万円になる。

だがそれだけではない。

「ちゃんと使えていない」と感じた担当者が、使い方を調べる時間。ベンダーに問い合わせる時間。社内で「あのシステム、どうする?」という会議を開く時間。そして結局「もう少し様子を見よう」と結論を先送りにする時間。

これを時給3,000円で計算すると、年間でゆうに100万円を超える。

240万円+100万円超。合計340万円以上を、「使われていないシステム」のために払い続けている会社は珍しくない。

こういう話を聞くたびに思う。まず状況を整理するだけでも、相談してほしかったと。


データビジュアル

あなたの会社のシステム、正直に確認してほしい

以下に当てはまるものはいくつあるか。

  • ログイン方法を、誰かに聞いたことがある
  • 「あのシステム、今も動いてる?」と聞かれたことがある
  • 操作マニュアルが、リリース時のバージョンのまま
  • 問い合わせ先が、異動した前任者のメールアドレスのまま
  • 月次レポートが届いているが、誰も開いていない

3つ以上当てはまるなら、そのシステムはすでに「使われていない」状態に入っている。


図解

原因は、システムではない

ここで多くの会社が間違える。

「このシステムが使いにくいのが悪い」「ベンダーの実装が悪かった」。そう結論づけて、次のシステムを探し始める。

だが実際は違う。使われなくなった原因のほとんどは、発注の仕方にある。

よくある失敗パターンは3つだ。

1. 現場が要件定義に参加していなかった

システムを使うのは現場の人間なのに、要件定義は上の人間だけでやった。現場が「自分たちのために作られていない」と感じれば、使われなくなるのは当然だ。

2. 「便利にしてください」で発注した

何を便利にするのか、具体的に決めないまま発注した。ベンダーは言われた通りのものを作る。誰も困らないが、誰も使わないシステムができあがる。

3. 運用設計をベンダーに丸投げした

「どう使うか」はベンダーが決めることではない。それを任せた時点で、現場への定着は運任せになる。


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次のシステムを探す前に

月20万円の契約を解約する前に、あるいは次のシステムを検討し始める前に、一度立ち止まってほしい。

「なぜ使われなくなったのか」を正直に言語化できているか。同じ発注の仕方をすれば、次も同じ結果になる。

ニチコマには、こういう相談が月に何件も来る。「前のシステムが失敗したので、次こそ」というタイミングで来る方が多い。正直に言うと、失敗の原因を整理してから動いた会社と、そうでない会社では、その後の結果が大きく変わる。

まず話だけ聞かせてください。費用の話は後でいい。「なぜ使われなくなったのか」を一緒に整理するところから始めましょう。


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